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「八月のクリスマス」

2度目ですが、「八月のクリスマス」を観ました。1998年のホ・ジノ(許秦豪・허진호)監督第1作ですね。主演はハン・ソッキュ (韓石圭・한석규)とシム・ウナ(沈銀河・심은하・・ちなみにもう芸能界を引退して2児の母 ※1)。小津に影響を受けたというだけあって何気ないエピソードを散りばめて、死と抑制された愛がとっても静かに語られていきます。

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ハン・ソッキュ演じる主人公ユ・ジョンウォンは写真館の店主で、30歳前という若さながら重い病に冒されている、病のことははっきりとは語られないんですよね。シム・ウナ演じるキム・タリムは20歳の駐車取締員。この二人の恋物語を縦軸にして、病気や家族との絆、昔の恋人、友情などが散りばめられています。

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これは昔の恋人、幼馴染みらしい。彼女もばくち好きの夫のDVに苦労していることが語られます。それも男としては切ないよな。

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僕の一番好きなシーンですね。昼間記念写真を撮りにきた大家族のおばあさんが息子から「お母さん、せっかくだから一人でも撮ってくださいよ。」と言われて撮るんだけれど。夜こっそりとまた写真館を訪れるんだよね。「葬式に使う写真だから奇麗に撮り直してください。」といってね。記念写真の、息子の真の目論見も理解してたんだよな、とっても切ないシーンですね。

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一番幸せそうな、遊園地でのデートの場面ですね。実はこの場面に至るところのシム・ウナがとっても魅力的です。初めて化粧をして写真館に訪れて二人でビールを飲みながら、遊園地に誘うともなく誘うんだけれど、彼女はビールをとってもまずそうに飲むんだね。女の子が女に成長していく様子もさりげなく描かれています。

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休業中の写真館の前で待つシーン。ネタばれしてしまうからここまでです。未見の方は是非ご覧になってください。

ところで映画の色調がなんかセピアっぽかったり、街並みが古臭い感じだったので時代設定がなかなかつかめなかったんですが、高校時代の親友と「お前、ノ・テウの選挙運動手伝って云々・・・。それも10年前かぁ。」てな会話を交わしているので、1998年つまり映画が製作された年の出来事を描いていたんですね。

この「八月のクリスマス」という映画は、「てじょんHP ~ 韓国映画と歌と本のページ」
(http://homepage3.nifty.com/taejeon/8chri.htm)で言葉を中心に詳しく解説されています。でも、ほぼ10歳の年の差のある、それも店主と客という微妙な関係の言葉づかいなんかにも触れられていますから、韓国語に興味のない方でも面白く読めるはずです。

ホ・ジノ監督の「春の日は過ぎゆく」もおすすめかな。不倫の映画なんだけれど。イ・ヨンエは「親切なクムジャさん」ほどではないけれど、悪役を演じています。「四月の雪」は途中で寝てしまった。もう一回観ようかしら・・・。

おまけ
日本でもリメイクされているんですね。観ようとは思いませんが。

「降霊」も観ました。ホラーなのかサスペンスなのか。役所広司と風吹ジュンだから役者はいい感じなんだけれど。怖くもないしドキドキもしないし、簡単に言うとつまんなかったかな。後味が悪いし子供が死ぬのが嫌だな。


※1・・つい最近「다시 보고 싶은 스타(タシ ポゴ シプン スタ)」(もう一度観たいスター)で1位に選ばれたそうです。(東亜日報web版3/27)
Commented by at 2008-04-05 19:02 x
ハン・ソッキュはいろんな役をやりますね。アン・ソンギみたいな存在なのかな?
Commented by obakeland2008 at 2008-04-05 19:59
まだ若いんじゃないかな?64年かそこいらの生まれでは?これから国民的俳優になっていくのではないでしょうかねぇ。チェ・ミンシクやソン・ガンホとは違って正統派の匂いがするものね。
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by obakeland2008 | 2008-04-04 21:23 | 映画 | Comments(2)

まっ、備忘録ですな。


by 草庵主人
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