今日は卒業式だった。
2012年 03月 05日
朝、世話になっているHさんから式に参列するか否かの確認の電話があった。式には出ないが、終わるころには行くと思うと返事をした。
これがこの学校での最後の卒業式だ。そんな個人的な感慨はともかく、二年間にわたって教えた子どもたちの節目だから、おめでとうの一言をいってやろうと、参上した。が、到着したのは式も終わって廊下にゾロゾロと生徒たちがたむろしている時刻だった。
最初に国語科にやってきたのは、バスケのキャプテンだった。実に爽やかに挨拶をして去って行った。この男は高2の頃はどちらかと言うとクールな、あんまり教員には懐かないタイプの生徒だったんだが、進級してキャプテンの要職を務めあげたことが自信になったんだろう、実にしっかりした好青年に変貌を遂げた。
次にやってきたのが・・・女生徒なんだがぁぁぁちょいと変った娘で、入ってくるなり国語科の壁に沿って回転し始めた。
オレ 「何をおやりになっておいでで?」
カオル 「アタシの匂いをここに残しておくためのマーキング・・・。」
オレ 「ほぅ、そいつは御苦労だが、オレはもうこの部屋は使わんのだが・・・。」
カオル 「えぇぇぇっ、じゃっ、センセーの耳たぶちょうだいっ!」
訳が分らん。
その次が野球部の小泉と4番を打っていたリク。
小泉は、野球部にしては理論派で、そこがいいところでもあるし、欠点でもある男だ。それでもそーゆー感覚の鋭さで、実に前近代的なこの学校の野球部で3年間野球を続けたところに、彼の凄さがある。
で、四番バッター・・リク。
リク 「先生、お世話になりました。卒業アルバムに一言書いてください。」と言うから、書きましたよ。
「あの夏の、マリンの、実に美しいホームランを僕は忘れないだろう。」と。
この生徒は本当におごることもないし、威張ることもないし、無駄な矜持を人に示すこともないんだけれど、実に堂々とした立ち居振る舞いで勉強も手を抜かない、見上げた男だった。
その次が、野球部のマネージャーの女の子、来た時にはもう涙目になっていた。
オレ 「色々とからかったけれど、本当に大変な仕事をやり遂げたねぇ。甲子園に行きたかったねぇ。」
ホント、何人の生徒が来たんだろう。まぁな、みんな卒業式を終えて「感動モード」に突入していたからな。
しかし、言葉を交わしたのは圧倒的に男子生徒ばかりだった。それも運動部の奴らばっかり・・・。
柔道部の大学でも続ける安部、警察官になる主将、そして変人の龍造、剣道部の主将とリョータ、陸上部の牛島、台原、野球部の西村、酒井、殿塚、女子は医学部に進むマナカちゃん、真面目な早川、ニヒルな秀子、料理好きなのに下手糞な舞ちゃん、いじられキャラで友達のいない萌子、愛くるしいマオナ、バイトとお金が恋人のナナコ、・・・。
でよ、写真も数え切れんほど撮った。
で、女生徒の卒業アルバムに書いた言葉は、すべてこれ・・・。
今年より 春知りそむる桜花 散るてふことは習はざらなむ
こいつは、古今集の貫之が詠んだ歌なんだが、一応解説しておくとぉ。
「今年から花をつけ始めた桜の木よ、どうか散るということは習わずにずぅっと咲き続けてほしい。」ってえくらいの和歌ですな。
生徒さんには表面的な意味だけは解説しましたが、実は散らない花なんてないわけで、アタクシの真意もそこにあるのですな。散ることがあっても、また咲けばいいだけの話でね。
そんでもって、悪がきの評判高い木村がこんなもんを持ってきた。
この生徒は野球部くずれなんだが、家庭でもいろいろとあり、感受性が人一倍強い子だから、自分自身を持て余しているところがあって。まっオレは好きな生徒の一人だったんだけれど、こーゆー子どもを許容できない教員というのは、どうなんだろか・・・。
さて、当分、酒は飲まんつもりでいたんだが、色んな生徒たちとの別れがあったから、飲まんわけにもいかなくなってしまった。
で、今日のアテ・・・。
そして、菜の花。
春到来・・・ではないな。季節も俺自身も・・・お寒い限りだ。
国語科の若手のE君から丁寧に挨拶を頂いたんだが、ありがたいことだ。そうかぁ、彼と知り合ってからもう9年の歳月が流れたのかぁ・・・。
これがこの学校での最後の卒業式だ。そんな個人的な感慨はともかく、二年間にわたって教えた子どもたちの節目だから、おめでとうの一言をいってやろうと、参上した。が、到着したのは式も終わって廊下にゾロゾロと生徒たちがたむろしている時刻だった。
最初に国語科にやってきたのは、バスケのキャプテンだった。実に爽やかに挨拶をして去って行った。この男は高2の頃はどちらかと言うとクールな、あんまり教員には懐かないタイプの生徒だったんだが、進級してキャプテンの要職を務めあげたことが自信になったんだろう、実にしっかりした好青年に変貌を遂げた。
次にやってきたのが・・・女生徒なんだがぁぁぁちょいと変った娘で、入ってくるなり国語科の壁に沿って回転し始めた。
オレ 「何をおやりになっておいでで?」
カオル 「アタシの匂いをここに残しておくためのマーキング・・・。」
オレ 「ほぅ、そいつは御苦労だが、オレはもうこの部屋は使わんのだが・・・。」
カオル 「えぇぇぇっ、じゃっ、センセーの耳たぶちょうだいっ!」
訳が分らん。
その次が野球部の小泉と4番を打っていたリク。
小泉は、野球部にしては理論派で、そこがいいところでもあるし、欠点でもある男だ。それでもそーゆー感覚の鋭さで、実に前近代的なこの学校の野球部で3年間野球を続けたところに、彼の凄さがある。
で、四番バッター・・リク。
リク 「先生、お世話になりました。卒業アルバムに一言書いてください。」と言うから、書きましたよ。
「あの夏の、マリンの、実に美しいホームランを僕は忘れないだろう。」と。
この生徒は本当におごることもないし、威張ることもないし、無駄な矜持を人に示すこともないんだけれど、実に堂々とした立ち居振る舞いで勉強も手を抜かない、見上げた男だった。
その次が、野球部のマネージャーの女の子、来た時にはもう涙目になっていた。
オレ 「色々とからかったけれど、本当に大変な仕事をやり遂げたねぇ。甲子園に行きたかったねぇ。」
ホント、何人の生徒が来たんだろう。まぁな、みんな卒業式を終えて「感動モード」に突入していたからな。
しかし、言葉を交わしたのは圧倒的に男子生徒ばかりだった。それも運動部の奴らばっかり・・・。
柔道部の大学でも続ける安部、警察官になる主将、そして変人の龍造、剣道部の主将とリョータ、陸上部の牛島、台原、野球部の西村、酒井、殿塚、女子は医学部に進むマナカちゃん、真面目な早川、ニヒルな秀子、料理好きなのに下手糞な舞ちゃん、いじられキャラで友達のいない萌子、愛くるしいマオナ、バイトとお金が恋人のナナコ、・・・。
でよ、写真も数え切れんほど撮った。
で、女生徒の卒業アルバムに書いた言葉は、すべてこれ・・・。
今年より 春知りそむる桜花 散るてふことは習はざらなむ
こいつは、古今集の貫之が詠んだ歌なんだが、一応解説しておくとぉ。
「今年から花をつけ始めた桜の木よ、どうか散るということは習わずにずぅっと咲き続けてほしい。」ってえくらいの和歌ですな。
生徒さんには表面的な意味だけは解説しましたが、実は散らない花なんてないわけで、アタクシの真意もそこにあるのですな。散ることがあっても、また咲けばいいだけの話でね。
そんでもって、悪がきの評判高い木村がこんなもんを持ってきた。
この生徒は野球部くずれなんだが、家庭でもいろいろとあり、感受性が人一倍強い子だから、自分自身を持て余しているところがあって。まっオレは好きな生徒の一人だったんだけれど、こーゆー子どもを許容できない教員というのは、どうなんだろか・・・。
さて、当分、酒は飲まんつもりでいたんだが、色んな生徒たちとの別れがあったから、飲まんわけにもいかなくなってしまった。
で、今日のアテ・・・。
そして、菜の花。
春到来・・・ではないな。季節も俺自身も・・・お寒い限りだ。
国語科の若手のE君から丁寧に挨拶を頂いたんだが、ありがたいことだ。そうかぁ、彼と知り合ってからもう9年の歳月が流れたのかぁ・・・。
by obakeland2008
| 2012-03-05 18:10
| 教育
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